UFORadiant マニュアル prev index next SonotaCo.com SonotaCo Network


4.備考

4.1 データベース形式詳細

軌道データ(Orbit) : orbitディレクトリ内のcsvファイルに格納
名称 フィールド名 形式 単位 備考
レコードバージョン Version int32 - 500+バージョン番号 (当面 501固定)
軌道ID OID UINT32 - DSID*100000+serial(重複しないデータ識別番号)
有効フラグ use UINT32 - 0 : 無効レコード、1:有効レコード
精度の悪いレコード、重複するレコードなどを手動で排除するためのフラグ
軌道名 name an max63 - 個々の軌道に付与する任意の名称
UFOOrbitから移入したデータは観測日時が名称となります。
重複しても構いません。
観測準ユリウス日 mjd float32 day 観測日時の準ユリウス日
太陽黄経 sol float32 deg 観測日時の太陽黄経
赤経 ra float32 deg 修正輻射点の赤経
赤緯 dec float32 deg 修正輻射点の赤緯
地心速度 vg float32 km/s
軌道型 type int32 - >1 平均流星軌道 (値は平均した流星軌道数)
=1 単独流星軌道
=0 群情報から逆算した代表流星軌道
=-1 彗星軌道(リザーブ)
=-2 小惑星軌道(リザーブ)
軌道長半径 a float32 AU a
近日点距離 q float32 AU q
軌道離心率 e float32 - e
近日点引数 peri float32 deg ω
昇交点黄経 node float32 deg Ω
軌道傾斜角 incl float32 deg i
平均近点角 M float32 deg 小惑星軌道用リザーブ
近日点通過時刻/元期 T/e float32 day 彗星/小惑星軌道用リザーブ
位置測定誤差 r_sd float32 deg 輻射点位置に換算した観測および計算誤差 ( 不明の場合は9.0以上)
速度測定誤差 v_sd float32 km/s 地心速度の観測および計算誤差(不明の場合は9.0以上)
発光点高度 Hb float32 km
消滅点高度 He float32 km
輻射点天頂距離 zr float32 deg
絶対等級 mag float32 -
質量 mass float32 g
備考 memo an max63 -
群データ(Stream) : UStream.csv
レコードバージョン Version int32 - 300 + バージョン番号 (当面301固定)
群ID SID UINT32 - DSID*100000+serial(重複しないデータ識別番号)
有効フラグ use UINT32 - 0 : 無効レコード、1:有効レコード
群コード code an max7 - 群の短縮符号
群名称 name an max63 - 群の正式名称
群開始太陽黄経 sol1 float32 deg
群終了太陽黄経 sol2 float32 deg
極大太陽黄経度 solp float32 deg
極大赤経 ra float32 deg
極大赤緯 dec float32 deg
赤経日々移動量 dra float32 deg/day 極大日の輻射点における移動方向ベクトル赤経成分
赤緯日々移動量 ddec float32 deg/day 極大日の輻射点における移動方向ベクトル赤緯成分
地心速度 vg float32 km/s
群タイプ type int32 - 当面1固定 1以外の場合は R,dv,D'を個別定義する。
輻射点位置誤差 R float32 deg >0 : 輻射点位置による分類を行う際の許容輻射点位置誤差
=0.0 : デフォルト(R=3.0として扱われる)
<0 : 位置によるこの群への自動分類を無効とする
速度誤差 dv float32 km/s >0 : R-vg gouping を行う際の許容速度誤差
=0.0 : デフォルト(比較対象の30%を許容誤差とする)
<0 : 速度によるこの群への自動分類を無効とする
D'誤差 D' float32 - >0 : D'判定に使用する閾値
=0.0 :デフォルト(0.10として扱われる)
<0.0 : D'判定によるこの群への自動分類を無効とする
代表軌道ID TypicalOID UINT32 - D'判定に使用する代表軌道要素をもつ軌道データのOID
備考 memo an max63 -
群リスト(List) : UList.csv
レコードバージョン Version int32 - 100+バージョン番号(当面101固定)
リストID LID UINT32 - DSID*100000+serial(重複しないデータ識別番号)
リスト名称 name an max63 -
リストバージョン ver an max63 -
備考 memo an max63 -
SOlink : USOlink.csv
レコードバージョン Version int32 - 400+バージョン番号(当面401固定)
群データID SID UINT32 -
軌道データID OID UINT32 -
LSlink : ULSlink.csv
レコードバージョン Verion int32 - 200+バージョン番号(当面201固定)
リストID LID UINT32 -
群データID SID UINT32 -
軌道ファイル情報(OFile) : UOFile.csv
レコードバージョン Version int32 - 900+バージョン番号(当面901固定)
使用フラグ use UINT32 - 0: 不使用 1:使用
軌道ファイル名 name an max63 -
備考 memo an max63 -
情報源ID(DSID) : UDSID.csv
レコードバージョン Version int32 - バージョン番号(当面 1固定)
情報源ID DSID UINT32 - 1〜42948 (詳細はID管理の説明を参照して下さい)
使用フラグ use UINT32 - 0: 不使用 1:使用
情報源コード code an max 7 - 重複しないできるだけ短い符号を推奨
未使用先頭ID IDnext UINT32 - 同じDSIDを利用したID内で未使用の先頭ID
備考 memo an max 64 -

データ形式の注意点

4.2 技術的補足

[群への軌道の自動分類論理]

群の軌道の自動分類論理は以下です。

[D' 判定値の計算方法]

D'は以下の式により計算されています。

[複数の軌道の平均軌道計算方法]

SkyMapおよびOrbitMap上にはその時点で選択されている軌道の平均軌道要素が表示されています。これらは、以下により計算されています。
(1)sol,ra,dec,vg : 選択軌道データのsol,ra,dec,vgのType (各データが既に平均値だった場合の平均軌道数, 観測データは1) を重みとした平均および分散 (群の代表軌道はType=0であるため、平均値計算には算入されません)
(2)mjd,a,q,e,node,peri,incl : (1)の平均sol,ra,dec,vgを使用して再計算した値 (mjdはリファレンスに設定されている年を基準として計算)
(3)sR : リファレンスのra, dec と各軌道のra,decとの角距離の平均
(4)dra,ddec : リファレンスの ra,decと各軌道のra,decとの差を リファレンスの太陽黄経と各軌道の太陽黄経との差を重みとして平均した値を日単位に換算したもの
(5)mR : (4)が定まった後にその値を用いて求めた各軌道の観測日時における予想輻射点位置と各軌道の輻射点位置との角距離の平均

[群データの問題点について]

流星の速度には以下があります。

Vg ...地球の引力を受ける前の流星の速度(地心速度)
Vi ...大気抵抗減速を受ける前の流星の大気圏外速度(無限遠速度)
Vo ...実際に観測される流星の速度(観測速度)
( Vg→天頂引力と日周光行差→Vi→大気抵抗減速→Vo )

また、輻射点座標については、以下があります。

真輻射点 ... 真の輻射点?
修正輻射点 ... 視輻射点を天頂引力、日周光行差、地球自転速度を考慮して補正して求めた輻射点座標
視輻射点 .. 複数の観測から求めた観測日時における輻射点方向

UFORadiantでは 流星の速度として、地心速度 Vg 、輻射点座標については 修正輻射点のみを使用しています。
過去の群データの中には、Vgを使用しているものと、Viを使用しているものが混在している可能性があります。これについては今後とも注意して、Vgに統一してゆく必要があります。

[自動クラスタリング手法]

UFORadiantの自動クラスタリングは以下の手法を採用しています。

    1. 母集合内の各軌道 i に対し、以下の条件をすべて満たす軌道 j の母集合内個数Nを数える
      • i と j の D'値が指定値以下
      • i と j の 出現時の太陽黄経の差の絶対値が指定値以下
      • i と j の 輻射点座標間の角距離が指定値以下
      • i と j の 地心速度差の絶対値と i の速度との比が指定値以下
    2. 母集合の中で最大のNを与える軌道xについて、
      • x の N が指定数以下ならクラスタリング終了
      • x の N が指定数以上なら、 x を代表軌道とする群 X を作成
    3. Xに対して 1 と同じ条件を満たす全軌道から、x を中心とした日々移動量を計算
    4. 3に使用した全軌道をXに分類し、母集合から除く
    5. 1から4を繰り返す

[Stream Code]

UFORadiantの自動クラスタリング機能では、自動的に群を生成します。この際、生成される群コードは以下の規則によって命名されます。

群コード := "i_c"

Stream Code は 流星の出現日、輻射点座標、地心速度の概要を短い文字列で表現するための文字列で、36進数4桁の文字列です。
36進数の1桁は'0'〜'9'の次に'a'〜'z'を使用して表現します(例えは 'b' は10進数で11, 'z' は35を示します)
Stream Code の4桁を srdv とすると各桁は以下の代表軌道の値を用いて、以下で計算します。

例 : "qbbf" (ふたご座流星群の代表軌道の値の例)

4.3 UFORadiantプログラムとその処理結果の扱いについて

UFORadiantは SonotaCo が作成したプログラムです。
本プログラムの配布元はSonotaCo.comのみとします。再配布は行わないで下さい。
学術分野あるいは個人の趣味としての非営利目的使用に関しては自由に使用して頂いてかまいません。
営利目的使用に関しては SonotaCo.comまでお問い合わせください。
利用するデータの著作権は各々データの作成元にあります。各データの処理結果の利用方法についてはデータの作成元にお問い合わせください。
プログラムについては改善の努力を惜しみませんが、バグがある可能性があります。本プログラムの利用結果については SonotaCoは一切の責任を負いません。
V0.01公開時点で、以下のフォーラムで本プログラムに関する技術的問い合わせを受け付けています。質問、ご意見等は以下をご利用ください。
http://sonotaco.jp/forum/viewtopic.php?t=864

4.4 謝辞

UFORadiantは過去の多くの流星研究の成果の上に成り立っています。これまでの多くの研究者、観測者、技術的手法や観測結果を公開されている方々に敬意と感謝を表します。
UFORadiantはUFOCapture,UFOAnalyzer,UFOOrbit無しでは有り得ませんでした。それらは、それを使ってくださる方によって育てられました。インタネットやミーティングを通じて各種の技術的資料を提供頂いた皆さん、叱咤激励を頂いた皆さんに深く感謝します。また、SonotaCo Networkのフォーラムに日々観測データを公開してくださっている方々、フォーラムの維持発展に協力頂いている皆様にお礼申し上げます。同時観測データの蓄積はかけがえのないもので、多くの人の努力があって始めて得られるものです。皆さんの貢献に応えるべく、今後とも努力していきたいと思いますので、なにとぞよろしくお願いします。

4.5 改版履歴

[2006/3/18] V0.01 初版公開

[2006/3/20] V0.02

[2006/3/24] V0.03,V0.04

[2006/3/30] V0.05

[2006/4/28] V0.06

[2006/5/26] V0.07

[2007/4/6] V0.08

[2007/4/7] V0.09

[2007/5/20] V0.10

[2007/6/2] V0.11

[2007/6/3] V0.12

[2007/6/5] V0.13

[2007/7/8] V0.14

[2009/4/25] V0.15