UFOCaptureHD2 クイックスタートガイド
UFOCaptureHD2を用いたハイビジョン(HD)動体監視システムの基本的な構築方法を手順を追って解説しています。
1. 機材の準備
システム構成
|
HDsystem |
|
SDsystem |
|
- UFOCaptureHD2を用いたHD動体監視システムには以下の条件を満たす機材が必要です。
- カメラ
- 通常のフレームレートのハイビジョン映像(1920x1080/60i, 1920x1080/24pなど) を長時間連続出力可能なこと。
- HDMIまたはHD-SDIなどWindowsのキャプチャデバイスが対応している信号形式の出力をもつこと。
- ビデオカメラで夜間の流星やTLEなどの観測を行う場合にはS/N 30db程度で 最低照度0.01lux以下の感度をもつこと。
- デジタルカメラで夜間の流星やTLEなどの観測を行う場合には ISO12800 F1.0 相当以上が望ましい。
- 夜間観測の場合はマニュアル露出設定またはノイズが過多にならない自動露出機能をもつこと。
- レンズ
- 夜間観測用の場合、カメラの実用ISOが12800ならF1.0 相当以上明るさをもつこと。
- 無限遠固定等の固定フォーカスで利用可能なこと
- 夜間観測で方位の測定を行う場合には映像上で恒星が10個以上(2等星程度まで)確認可能なこと。
- 一般に広角レンズでは恒星が映り難く、写野が狭いレンズほど暗い恒星まで映ります。
- 魚眼レンズなどの超広角レンズは I.I.やEM-CCDなどの超高感度カメラでないと測定は困難になります。
- カメラおよびレンズを風雨から守るハウジングおよびカメラマウント
- ビデオケーブル
- HDMIは3m程度まで、HD-SDIは20m程度まで
- HDMI出力のカメラは HDMI-HD SDIコンバータを利用することにより HD-SDIに変換できます。
- 非圧縮ビデオキャプチャデバイス
- Windows DirectShow の非圧縮ビデオキャプチャ互換であること(Windows Movie Maker や Media Encoderで所望の解像度が利用可能なこと)
- 利用予定のパソコンのWindows用のデバイスドライバが供給されていること
- 可逆(ロスレス)コーデック
- Huffyuv などの可逆コーデック を利用することにより 記録速度 および記録容量を削減することができます。
- HDキャプチャにおいてはデータ量が極めて大きいため、完全な非圧縮映像の録画再生はHDD4台のRaid0などの高性能システムが不可欠になりますが、可逆(ロスレス)コーデックを使用すれば必要帯域を1/4程度にすることができます。一方、録画時のCPU負荷の増加はHuffyuv等では高くありません。このため、HDキャプチャにおいては科学的な観測目的であっても 可逆コーデックの使用を推薦します。
- パソコン
- Windows Xp, Windows7, Windows8
- UFOCaptureHD2はどの言語および32/64bit のいずれでも動作しますが、ビデオキャプチャデバイスやコーデックソフトは通常動作可能なバージョンの制限があります。
- 1920x1080/60i , 1920x1080/30p, 1920x1080/24p で 夜間観測を行う場合
- 2.0GHz以上のクロックで 4スレッド以上を処理できる Intel CoreシリーズCPU。
- 非圧縮記録の場合
- 200MB/sec程度の連続書き込み可能な HDD または SSD (7200rpm HDDの4台のRaid0など) 。
- 最低 50GB/日、2TB/年程度の容量のHDDまたはSSD。
- Huffyuvを用いた可逆圧縮記録を行う場合
- 60MB/sec程度の連続書き込み可能な HDD (7200rpm HDDの2台のRaid0など) または SSD。
- 利用するビデオキャプチャデバイスが接続可能なこと
- 2012年の状況では PCIeX x1バス の利用が推奨されます(USB3.0 バスは互換性問題が多く推奨されません)。
- 必然的に2012年の現状ではデスクトップパソコンしか利用できません。
- 将来的にはサンダーボルトインタフェースの登場が期待されています。
- メモリ容量は 500MB以上で動作可能なので、通常問題ありません。
- ディスプレイは 1920x1080を余裕をもって表示できる 2560x1600 等の解像度を推奨しますが、より少ない場合は縮小表示となりますが、動作は可能です。
- 2013年1月現在の1920x1080/60i 夜間観測用推奨機種は以下です。
- カメラ: Panasonic DMC-GH3 (HDMI連続出力のためにレリーズケーブルによるジャッターロックが必要です), Nikon D800/D800E
- レンズ: DMC-GH3用 NOKTON 25mmF0.95 FourTheirds, Nikon 用 50mmF1.2など
- コンバータ: Black Magic Design HDMI to HD-SDI converter
- キャプチャ機器: Black Magic Design DeckLink SDI
- コーデック: Huffyuv 64bit対応版
- PC: Windows8 64bit, Core i7 3770s, SSD または HDD2台のRaid0
- UFOCaptureHD2を用いてNTSCやPALなどのSD映像のキャプチャを行うこともできます。この場合の必要機材はUFOCaptureV2の関連ドキュメントを参照してください。
2. 機材の動作確認
- UFOCaptureHD2のインストール前に キャプチャ機器が正常に動作することを確認して下さい。
- キャプチャ機器のマニュアルに従って、設置、付属ソフトのインストールをし、映像信号を入力してキャプチャ機器付属ソフトで所望の解像度で表示可能なことを確認して下さい。
- 同じくキャプチャ機器のマニュアルに従って非圧縮録画再生可能なことを確認して下さい。
- 記録された動画ファイルのプロファイルによってそのビットレートなどが圧縮されたものでないことを確認してください。
- 可逆コーデックを利用予定で製品付属ソフトがこれに対応せず、非圧縮録画をした場合にはコマ落ち等が発生することがありますがこれは致し方ありません。
- キャプチャ機器付属ソフト等はアンインストールする必要はありません。
- ここまでで問題がある場合には先に進まず、まず問題を解決してください。
3. UFOCaptureHD2パッケージのダウンロード
- SonotaCo.com (http://sonotaco.com/soft/ )より最新のUFOCaptureHD2パッケージ UFOHD2_xxx.zip をダウンロードしてください。
- エクスプローラでダウンロードした UFOHD2_xxx.zipのプロファイルを表示し、以下のようにセキュリティ警告が表示されている場合には"ブロック解除"ボタンを押してブロックを解除してください。
-
4. プログラムの配置とキャプチャ先ディレクトリの作成
- 1) UFOシリーズの実行プログラムを配置するディレクトリ (例: C:\UFO ) を作成して下さい。
- 実行プログラムを配置するディレクトリは ドライブルートおよび英数字以外を含む名称ではいけません(デスクトップ配下のように 2byte文字を名称に含むディレクトリでは動作しません)。
- 2) UFOHD2_xxx.zip を解凍ツールで解凍してできるUFOHD2ディレクトリを1)で作成したディレクトリに配置してください。
- 3) 以下は典型的なV3.2.0のUFO2HD2ディレクトリです。
-
- 4) キャプチャ先となるディレクトリを作成してください(例 C:\CAP_SSD, または D:\Cap)
- キャプチャ先ディレクトリは 十分な書き込み速度と容量をもったドライブに設定してください。
- 完全な非圧縮記録の場合、1920x1080/60i で200MB/sec以上の連続書き込み転送速度が必要です。
- 7200rpm SATA接続の内臓HDDの場合は4台のRaid0を推奨します。
- 夜間観測の場合、流星群の極大期には 一晩に200GB程度必要なことがあります。
- Huffyuv可逆圧縮を利用する場合は50MB/sec程度の転送速度が必要です。
- この場合は単一のSSDまたはHDD2台のRaid0で可能です。
- 夜間観測の場合、流星群の極大期には 一晩に60GB程度必要なことがあります。
- キャプチャ先ディレクトリはその上位ディレクトリを含めて 1Byte文字の英数字記号以外(日本語文字など)を含んではいけません。
- キャプチャ先ディレクトリにはUFOシリーズ以外で作成されたファイルを置くとUFOシリーズが誤動作することがあります。キャプチャ先ディレクトリ内のディレクトリを変更したり(削除は構いません)、UFOシリーズで自動生成されるファイル以外を置いたりしないでください。
5. UFOHD2_REG の実行によるシステムへの登録
- 最初に UFOHD2_REG.exe を起動してください。Windows Vista以降のOSでは 起動時にUACの確認がでることがありますが、"はい"を選んで実行を許可してください。
-
- これにより、以下のような UFOHD2_REG ダイアログが表示されます。
-
- Installed UFOHD2F.ax とUFOHD2RF.ax の欄が上図のように今回配置したディレクトリ内のaxを指しているか確認してください。
- 違うディレクトリを指している場合には既に過去にモジュールがシステム登録されていることを示しています。この場合に登録変更するには下部のReInstall axボタンを押してください。
- UFOCaptureHD2 Serial Code と License key をお持ちの場合はここでそれを入力しRegister .e;を押し、次の図のように Registered と表示さることを確認してください
- 試用の場合は空欄のままでかまいません。 Before Registration 状態では連続監視時間が30分に制限されていますが、その他の制限はありません。
-
- 右上の×ボタンを押し、UFOHD2_REGを終了してください。これでシステムへの登録は終了です。
- 試用中に本登録する場合には再度UFOHD2_REGを起動して コードとキーを入力し Rigister ボタンを押し登録してください。
- コード欄を空白にしてRegisterボタンを押すことにより、ライセンス登録を抹消することができます。
6. Windowsの設定確認
- UFOCaptureHD2による録画およびその長時間の安定動作のためには以下の設定が必要です。OSにより設定方法が少し違いますが、必ずチェックしてください。
- HDD自動電源オフの解除(Windows7以降ではHDDの電源が10分間の無操作でオフにするようにデフォルト設定されています。録画開始時にHDDが止まっていた場合には正常な録画はできず、壊れた動画ファイルが生成されることがあります)
- Windows7では コントロールパネル-> 電源オプション ->プラン設定の変更 ->詳細な電源設定の変更 -> ハードディスク で自動電源オフにならないように設定してください。
- スリープ設定の解除
- コントロールパネル -> 電源オプション -> コンピュータがスリープ状態になる時間を変更 などで スリープにならないように設定してください。
- この他、動画キャプチャ先ディレクトリをシステムプログラムなどが使用すると記録された動画が不完全になる場合が発生します。必要な場合、以下の設定などを確認してキャプチャ先に対して実行されないようにしてください。
- 検索インデックス作成
- システム復元の対象としての自動保存
- ウィルススキャン
- 尚、Windows Vista 以降ではPriority IO機能という機能がWindowsにあり、スタートアップから起動するプログラムなど特定の条件に合った場合、ファイルへの入出力動作が極めて低速になることがあります。この状態ではUFOCaptureは正常に動作しません。 この疑いがあるときはUFOCaptureHD2を起動中にタスクマネージャーからリソースモニタを起動し、ディスク活動のリストでUFOCaptureHD2関連のプログラムのIO優先度が標準になっていることを確認してください。 スタートアップから起動する方法は19.を参照してください。
7. UFOCaptureHD2の初期設定
- UFOCaptureHD2は パッケージを解凍した直後のデフォルト設定が、夜間のHD動画からの流星観測に適した値となっており、以下の数個の設定だけで夜間観測に使用できます。
- HD以外や夜間観測以外の用途の場合はOperationシート下部のRead Settingボタンを押し以下の中から目的に最も近い設定ファイルを読み込んで下さい。
- NF640x480N.ufi -- 夜間 640x480 NTSCビデオ信号のキャプチャ
- NF720x480N.ufi -- 夜間 720x480 NTSCビデオ信号のキャプチャ (IEEE1394キャプチャデバイスなどに適します)
- NF720x480D.ufi -- 昼間 720x480 NTSCビデオ信号のキャプチャ (IEEE1394キャプチャデバイスなどに適します)
- NF320x240D.ufi -- 昼間 320x240 NTSCビデオ信号のキャプチャ
- PF720x576N.ufi -- 夜間 720x576 PAL信号のキャプチャ
- PH320x240D.ufi -- 昼間 320x240 PAL信号のキャプチャ
- 毎回の終了後UFOHD2ディレクトリにSetting.ufiというファイルができ設定値が記憶されます。このファイルを消去することにより出荷時の初期値に戻すことができます。
- Inputシートで使用するキャプチャデバイスおよび入力ビデオ信号にあわせて設定してください。
- Video コンボボックスで使用するキャプチャデハイスドライバを選択してください。
- 事前にデバイスを稼動可能状態にして、映像信号を供給しないとVideo コンボボックスにデバイス名が表示されないことがあります。
- 他のデバイスを取り外した場合などシステムに変更があった場合、それ以前の選択が無効になり、Videoコンボボックスが空欄に戻ることがあります。このような場合にも再選択してください。
- 希望する解像度をXi, Yi に設定してください。
- 希望するフレームレートをFpsに正確に設定してください。
- 例えば、1920x1080/60i または 1920x1080/30p は デバイスによって 30.000 fps の場合と 29.970 fpsの場合があり、この指定が違うと動作しません。
- 通常HD信号の場合、30p あるいは 24p のようなプログレッシブ信号の場合には 30などの数字はフレームレートを示していますが、60i のようなインタレース信号の場合、フレームレートの倍のフィールドレートを示しています。UFOCaptureHD2のFps はフレームレートを指定してください。
- NTSCや60iのようなインターレース信号の場合はInterlace チェックボックスをオン、30pや24pの場合はオフに設定してください。
- IEEE1394キャプチャ機器の場合など、最下ラスターを含むフィールドが時間的に前である インターレース形式の場合にはBottom Field First チェックボックスをオンにしてください。
- 現在まで、IEEE1394キャプチャ機器は全てオン、それ以外のキャプチャ機器はオフでよいことが知られています。
- コーデックを使用する場合には Codecコンボボックスで希望のコーデックを選択し、動画ファイルに付けるサフィックスをsuffix欄で指定してください(通常サフィックスは".avi"です。UFOAnalyzerで動画を後処理する場合は .aviでないといけません)。
-
- DBシートでキャプチャ先ディレクトリを指定してください。
- キャプチャ先ディレクトリは最上位のディレクトリを指定します。
- "+Y/M/D dir" オプションをオンにしておくことにより、年月日の下位ディレクトリが自動生成されます。
-
- ここまでの初期設定をした段階で一度UFOCaptureHD2を終了させ、設定値を記憶させてください。
- 終了にはウィンドウ右上の×ボタンを押します。
- 毎回の設定値はプログラム終了時にUFOHD2ディレクトリのSetting.ufiファイルに自動保存されます。
8. プレビューテスト
- キャプチャ機器に映像を供給した状態で Liveシートの Previewボタンを押してください。 Liveシートにその時点で入力されている動画が表示されます。
- 動画が表示されず、"Media type not natched" と表示さる場合は Xi, Yi, Fps などが正しくありません。キャプチャ機器やカメラの仕様を調査して正しく設定してください。
- "Cannot run graph"などのエラーができる場合には Codec はプレビューテストではデフォルトの "AVI(uncompressed) を試してください(最も単純な表示テストができます(HDDなどへの書き込み速度が不足する場合もプレビューはできます))。
-
- キャプチャ機器によっては、Preview時に Video コンボボックス右の 入力端子コンボボックスが選択可能になったり、その右の"Set"ボタンにより キャプチャ機器固有の設定が可能になることがあります。
- キャプチャ機器が複数の入力端子を持っている場合には映像を入力している端子をこのコンボボックスで選択してください。端子指定が違うとノイズ画面や真っ白、真っ黒などの画面が表示されます。
-
- キャプチャ機器によっては Setボタンにより映像フォーマット選択や明度などの調整が可能になる場合がありますが、設定が保存されない場合もあるので注意してください (キャプチャ機器の恒久的な設定変更はキャプチャ機器付属のソフトウエアで可能な場合があります)。
-
- Live シート 右上の "1:N" ボタンを押すと プレビューウィンドウサイズを 映像サイズの1/2倍または1倍に自動調整することができます。
- プレビュー中にInputシート下部のSuperImposeセクションで動画への重畳表示情報を変更してその結果を確認することができます。
- Super Impose 形式の指定文字列として以下が使用できます。
- %T : 20051231 23:59:59 のような日本形式の日時文字列を挿入します。
- %t : 31/Dec/2005 23:59:59 のような欧文形式の日時文字列を挿入します。
- %M : 小数点と時刻のミリ秒部分を挿入します。 %T%M とすることでミリ秒単位の日時が挿入されます。
- %m: 100msecまでのミリ秒部分を挿入します。 %T%mとすることで100ミリ秒までの日時が挿入されます。
- %C : クリップ番号が挿入されます。
- %F : フレーム番号が挿入されます。
- %L : Detect Size 、Detect Lev と検出記号が挿入されます。
- %I : Profileタブで設定した LocationID と CameraID が挿入されます。
- %i : Profileタブで設定した Camera name と Lens nameが挿入されます。
- プレビュー状態で、WindowsのタスクマネージャーによりCPU負荷の確認をすることをお薦めします。各スレッドのCPU使用率が90%を超えることがある場合にはPCの能力が不足している可能性があります。
- Core i7 3770s (4コア、8スレット、3.1GHz 〜 3.9 GHz における 1920x1080/60i の夜間観測状態では CPU使用率は全体平均で20%程で、使用されている個々のスレットもおよそ50%と安全な状態です( 1920x1080/60i の夜間観測用としては 2コア4スレッド2.0GHz程度のCPUが最低限必要です)。
- UFOCaptureHD2では非常に高負荷となるスレッドが同時に4つまで存在します。どれかひとつでも100%に達すると正常動作しないことがあります。
- Codec を使用する場合には 録画時が最も高負荷になるので以下のテスト中に録画時のCPU使用率やディスク転送速度のチェックをしてください。
- LiveシートのStopボタンを押すことによりプレビューは終了します。
9. レコーディングテスト
- 動画表示中に Live シートのRecボタンを押すと 手動でタイムシフト録画を開始することができます。
-
- 録画中RecボタンはRecOffボタンに変化します。RecOffボタンを押すと録画を終了します。
-
- タイムシフト時間はInputシートで指定できます。 Recボタン押下のHeadフレーム前からRecOffボタン押下のTailフレーム後までが録画されます。
- Stopボタンを押し、プレビューを停止して DBシートを開くと録画されたクリップがDBシート内のクリップリストに表示されています。
-
10. 再生テスト
- DBシートのクリップリストでクリップ名をクリックするとそのクリップが選択され、Replayシートの画面にそのクリップの静止画が表示されます。
- クリップが選択されている状態でReplayシートの画面内または ">"ボタンを押下することにより 動画が表示されます。
- 記録された動画が滑らかに表示されることを確認してください。
- 動画の表示が滑らかでない場合には 録画時にPCの処理能力が足りずにコマ落ちした場合と、再生時に処理能力が足りずにコマ落ちする2つの場合があります。
- クリップ選択後Replayシートの ">||" ボタンを押下すると動画をコマ送りでみることができます。これにより記録時に映像のコマ落ち状態を確認することができます。
- 再生時のコマ落ちは放置しても特に問題は発生しません。
- 録画時にコマ落ちする場合には以下の原因が考えられるので、対策をとってください。
- イベント発生時にHDDが書き込み可能状態に無かった、すなわち HDDの自動電源断が実行されている可能性があります 7. を参照して下さい。
- HDDなどの書き込み速度が不足している -> 高速インタフェースによるRaid0などによる強化または可逆コーデックの使用による転送量の削減などを検討してください。
- 他のプログラムが書き込み先デバイスを使用中だった -> 原因となるプログラム(ウィルススキャンなど)を止めるか動作対象からキャプチャ先を外して下さい。
11. 動体監視テスト
- LiveシートのDetectボタンを押すと入力中の動画映像が表示され、上部のバーが灰色から黄色に変化し、数秒以内に青になり 動体監視状態になります。
- 映像信号が入力されていないとバーが黄色の状態が続くことがあります。
-
- 青いバーが表示されている状態でカメラの前を遮るあるいはカメラに光を当てるなどの方法で入力映像に大きな変化を与えてください。
- 動体が検出されると上部バーが赤く変わり録画が開始され、動体が無くなるとそのしばらく後(HeadフレームとTailフレームを足した時間の後)に録画が停止し、動体監視状態に戻ります。
- 数イベント記録したらStopボタンを押して動体監視を終了し、DBシートを開き、記録したイベントを再生して確認してください。
12. 削除テスト
- DBシートで Deleate a clip ボタンを押すと現在選択されている1つのクリップを削除することができます。
- 1つのクリップは以下のファイルがセットになったもので,、同時に削除されます。
- M*.avi : 動画ファイル( inputシートのsuffixの指定によっては wmv などavi以外もありえます)
- M*p.bmp または M*P.jpg : ピクホールド静止画 (Operationシートで Still Image Capture で PeakHold を指定している場合)
- M*s.bmp または M*S.jpg スナップショット静止画 (Operationシートで Still Image Capture で SnapShot を指定している場合)
- M*sT.jpg サムネール静止画 (Operationシートで Thumbnail を指定している場合)
- M*M.bmp : UFOAnalyzerで使用するための シンチレーションマスクや各画素の平均明度などを記録した静止画
- M*.xml : UFOAnalyzerで使用するカメラProfileおよび動体検出情報
- DBシートの Delete Cs ボタンでは、その時点で クリップリスト内の各行先頭のチェックボックスがオンになっているクリップをまとめて削除することができます。
- all Con ボタンにより全クリップのチェックをオンにすることができます。 すなわち、allCon と Delete Cs 連続押下で全クリップを削除することができます。
- all Coff ボタンにより全クリップのチェックをオフにすることができます。
- PrevおよびNextボタンでクリップの選択を1つ前に戻すことと先に進めることができ、クリップの静止画を順次確認することができます。
- Con ボタンにより現在選択中のクリップのチェックをオンにして次のクリップへ進むことができます。
- Coff ボタンにより現在選択中のクリップのチェックをオフにして次のクリップへ進むことができます。
- 不要クリップが多いケースでは、 all C on で全クリップのチェックをオンにした後、Nextボタンで順次クリップを確認し、必要なクリップでCoffボタンを押すことによりすばやく削除するクリップを選んでいくことができます。
- =Con ボタンを押すと クリップリスト内に Time interval trigger による 定時クリップ (名称に = を含むもの) のみ一度にチェックをオンにすることができます。定時クリップのみを先に消去する時などに便利です。
- クリップリスト内の個々のクリップのチェックボックスをクリックしてチェックを変更することもできます。
- チェックの変更は何度やっても構いません。チェックは記憶されず、シートを切り替えるとクリアされます。
- 任意にチェックしてDelete Csによりチェックしたクリップが削除できることを確認してください。
-
- UFOCaptureHD2はデフォルトでWindowsシステムのゴミ箱を使用しない設定となっており、削除とともに本当に削除されます。どうしてもゴミ箱を使用したい場合にはOperation シート上部の "Do not use trash box" のチェックボックスをオフにしてください。
以上で基本的な設定とテストは終了です。以降 Detectボタンによって監視を開始することができますが、流星観測などの継続的な運用のためには以下の詳細設定をお薦めします。
13. プロファイル設定
- Profileシートで カメラのプロファイルを設定してください。特に緯度経度は日の出日没時刻の計算およびUFOAnalyzerの後処理に利用されるので正確に設定してください。
-
- Serial : レジストレーション後 Seriak Code の一部が自動表示されます。
- Observer name: 32文字以内の英数字で観測者名を設定することができます。
- Country Code: 国際観測の場合、観測地のISO 3166-1 alpha-2:ラテン文字2文字による国名コードを入力します。日本はJPです。
- Location ID: データを共有するグループ内でユニークな観測地コードを12文字以内の英数字で設定します。日本の夜間流星TLE観測に関しては http://sonotaco.jp/forum/viewtopic.php?t=197 で登録できます(2012年現在)。クリップの一部として使用されます。
- Longitude : 観測地のWGS84 測地系による経度 を 度の固定小数点形式(度分秒ではありません)で小数点以下4桁まで設定します。東経は正、西経は負で表現します。日の出日没時刻計算に使用されます。
- Latitude : 観測地のWGS84 測地系による緯度 を 度の固定小数点形式(度分秒ではありません)で小数点以下4桁まで設定します。北緯は正、南緯は負で表現します。日の出日没時刻計算に使用されます。
- Altitude; 観測地の標高をm単位で設定します。海抜0m以下の場合は負で表現します。
- CaneraID: 同一観測点内でのカメラ識別符号を英数字2文字以下で設定します。
- Camera name : カメラ名を英数字で設定します。 スーパーインポーズで利用することができます。
- Lens name: レンズ名を英数字で設定します。スーパーインポーズで利用することができます。
- Capture eq.name : キャプチャ機器名を設定します。
- Comment ; 任意のコメントを80文字以内の英数字で設定します。
14. 監視スケジュール設定
- Operation シートの Detect Schedule欄で監視開始終了時刻の自動設定をすることができます。
- 夜間観測の場合には以下のように AutoAdjust to Sun チェックボックスと 2つめのスケジュール(夜間用)のチェックボックスをオンにします。
- 通常天頂方向で 日没後30分から日の出30分前までの観測が一般的です。
- Start with Replay sheet チェックボックスをオンにすることにより、監視中動画表示をせずにCPU使用率を下げることができます。
- Shutdown after detect end チェックボックスをオンにすることにより、観測終了時にパソコンをシャットダウンすることができます。
- 夜間のみの動作の場合など設定値セットを切り替えないでよい場合はSettings欄は空白で構いません。
-
15. 監視領域マスクの作成
- 監視領域内にその変化を検出対象としたくない地上風景や近景などがある場合、これを領域マスクでマスクして動体検出対象から除外することができます。
- これによって地上風景が画面内にある場合でもその変化(窓の明かりの点灯など)を無視することができます。
- 領域マスクを作る場合は、一度Preview状態とし、Stopさせ、Liveシートに映像が残っている状態で Video Triggerセクション内の Detect Area Edit ボタンを押すことにより、領域マスクエディタを起動できます。
- 領域マスクエディタでは Mask部分(赤) によって Detect部分(背景映像がそのまま見えています)を塗ることによって マスク領域設定できます。
- 領域マスクエディタでは Mask色、Detect色の 2つの色の切り替え、長方形、直線、点のブラシ形状の切り替え、およびブラシサイズの選択などができます。これで不要な領域をマスク色で塗りつぶしてください。
- 尚、左右両端はビデオ信号が不安定なことがあったり、この部分の明度差でシンチレーションマスクが不必要にかかることがあるので、領域マスクで数ピクセル塗りつぶすことを推奨しています。
- 領域マスクエディタでの編集がおわったら、Saveボタンを押してセーブしてください。セーブしたファイル名が Detect Area欄に表示され以降使用されることになります。
-
- 以下は地上風景の領域マスクによる除外の例です(領域マスクの状況は PreviewオプションのAreaチェックボックスをオンにすると動画にオーバーレイして確認することができます。(Areaがオンの場合には記録される静止画にも領域マスクが重畳されるため、通常はAreaはオフを推奨します)
-
16. シンチレーションマスクの調整
- シンチレーションマスクは夜空において映像から星像を検出してその瞬きに対して自動的にマスクを設定することにより、夜空における動体検出感度を大幅に向上させる機能です。
- SMlevelが星像の検出感度を決定するパラメータで、数値を大きくするとシンチレーションマスクが減り、数値を小さくするとシンチレーションマスクの数が増えます。
- PreviewオプションのSMwをオンにするとその時点でのシンチレーションマスクの状態を画面に白色で表示することができます。星が多数映っている天気の良い夜にSMwをオンにして調整してください。
- SMlevelの数値が小さすぎると下図左側のように、画素感度の僅かな差までマスクされ、不必要なマスクが多数設定されてしまいます。
- SMlevelの数値を調整して下図右側のように画面内の本当の星像のみをマスクするようになるのがベストです。
- なお、このシンチレーションマスク位置は M*M.bmpファイルを通して後処理プログラムに渡され、恒星の位置を示すヒントとして使われます。
- シンチレーションマスク処理は動画上でのリアルタイムの画像処理によって殆ど画面上では見えないような暗い恒星像を検出してその位置を特定することができます。
- 通常画面内に20から30個程度の恒星像のマスクがあれば十分な精度の測定ができるので、これを目安にSMlevelを調整してください。
-
17. スローオブジェクトマスクの調整
- スローオブジェクトマスクは 飛行機や人工衛星など 移動速度が遅く 画面内に長時間とどまる対象を検出の対象から外す機能で,移動速度とマスクする領域の大きさを指定できます。観測地の状況に合わせて設定を調整してください。
- 移動速度 : Pix/s 欄に 移動速度の上限を ピクセル/秒で設定します。
- 設定する移動速度はキャプチャの目的とする対象の移動速度より遅い必要があります。
- 経験では水平写野(FOVh)が45度程度のシステムでSD動画(横640から720画素)の場合16程度、1920のHD動画で30から40程度を指定すると多くの飛行機をキャプチャから除外することができます。
- スローオブジェクトのマスクサイズは SOsize欄にピクセル単位で設定します。SD画像で16程度、HD画像で36程度を推奨します。
- SuperImposeセクションのPreview欄で SOチェックボックスをオンにするとスローオブジェクトマスクが機能している時に画面上に移動する正方形の枠が表示されスローオブジェクトマスクの状態を見ることができます。
- スローオブジェクトマスクは飛行機などの長時間キャプチャを減らしますが、必ずしもすべての飛行機を無視できるわけではありません。
- 高速に飛行する飛行機や 近距離の飛行の場合など、見かけの速度が速くなり、マスク対象とならないことがあります。
- 点滅する識別灯の光芒が大きくマスクサイズからはみ出してトリガ源となってしまうことがあります。
-
18. 動体監視感度の調整
- UFOCaptureHD2は 各種マスク後の動画において、フレーム間でDetect Lev を超える明るさの変化が発生した画素の数が Detect Size を超えると 通常動体と判断します。
- 通常のカメラで無人運転をする場合、天候の変化などによりカメラの感度(ノイズ)などが大幅に変化するため、 Detect Lev はDetect Level Noise Tracking 機能をオンにして自動で決定します。
- 従って、通常動体検出感度は以下の図で赤丸で示した項目を調整します。記録したい対象を逃すことなく、ノイズなどによるキャプャをできるだけ減らすようにすることが目的です。
- Detect Size (変化面積の大きさ) : 流星観測の場合は 3 が推奨値で、 2だとより高感度になりますが、ノイズのキャプチャが増えます。
- Min(frm)(変化の最低継続フレーム数): 流星観測の場合、3 が推奨値です。 2まで下げても概ね良好ですがノイズや雷光のキャプチャが増えます。
- DLratio(Detect Lev の自動調整におけるノイズと閾値の比率) : 105から110程度が常用されます。下げるとノイズのキャプチャが増えます。
- MinDL (Detect Level 最低値): 夜間観測においては10程度で問題ありません。昼間などでノイズが極めて少ない状況ではより小さくします。
- MinL-N (Detect Lev - Noiseの最低値) :5程度を推奨します。ノイズのキャプチャが多い場合はノイズのトリガが十分少なくなるように10から20程度に上げてください。
- 尚、 このような高感度の設定では雷光が多い夜にすべての雷光に反応して 数千個ものクリップを生成することがあります。これを防ぐためには EXsize を0に設定して なおかつ Min(frm)を5程度に増やしてください。これによって雷光のキャプチャ数を激減させることができます。
-
19. NightSchedular による UFOCaptureHD2の自動起動
- NightSchedular を使用すると 指定プログラムを日の出日没の相対時刻で起動できます。
- NightSchedular はWindows Vista以降で導入された PriorityIO 機能によって、スタートアップに登録されたプログラムのIO優先順位が低下させられる問題の回避に使用することができます。
- システムのスタートアップからNightSchedularを起動し、NightSchedularから別のプログラムを起動した場合、NightSchedularのI/O 実行優先度は低くなることがありますが、NightSchedularからは通常の優先度をもつプログラムを起動することができます。
- パソコンの電源投入およびWindowsへのログイン直後はWindowsのビデオ関係モジュールが正しく動作しないことがあります。これを避けるためにはWindowsへのログイン後、最低5分間程度放置し、その後にUFOCaptureHD2を起動してください。
- 例) UFOCaptureHD2 を日没後 20分に起動するには以下のような設定とします。
-
- NightSchedularは以下からダウンロードできます。
- http://sonotaco.com/soft/download/NS001.ZIP
- 単独のパソコンの電源を日没相対の時刻で投入する簡単な方法はありません。
- ドイツでは緯度経度を設定する日の出日没相対のタイマー装置が発売されています。
- 24時間運転のサーバー等上でNightSchedularとWOLとの組み合わせで実現できる可能性があります。
戻る