[UFOAnalyzer]

UFOAnalyzerはUFOCaptureEx および UFOCaptureV2でキャプチャしたビデオクリップの分類整理/自動分析ツールです。

関連連プログラムおよびダウンロードはこちらでどうぞ


【概要】

UFOAnalyzerは次のように、キャプチャディレクトリを読み込んで、必要クリップを選択し保存ディレクトリに分類して格納します。


【操作方法】

以下、実際の操作手順に従って、UFOAnalyzerの機能を説明します。

  1. 起動と入力ディレクトリ指定
  2. カメラプロファイル設定
  3. 分析
  4. 分類
  5. 確認
  6. 再分析
  7. トレイルマップ出力
  8. レポート出力
  9. 分配
  10. ユーティリティ


[起動と入力ディレクトリ指定]

・インストール

  1. 事前に、UFOCaptureExがインストールされ、Register操作されている必要があります。
  2. 古いバージョンが存在する場合にはその実行ディレクトリを削除して下さい。
  3. 配布lzhパッケージを解凍してできるUFOAディレクトリを適当なディレクトリに置いて下さい。

・起動


[カメラプロファイル設定]

読み込みが終了したら、Profileタブでカメラプロファイル設定をして下さい。前回とカメラの方位等が全く同じ場合には調整の必要はありませんが、星図を重畳表示してカメラの方位を確認することをお薦めします。

プロファイル情報は、方位や速度の自動計算、レポート出力に使用されます。

V0.12 V0.21 V0.44

以上を出来る限り正確に入力し、Star Map ボタンを押して下さい。画面にそのクリップの撮影時刻の指定方向の恒星位置が計算され以下のように表示されます。

(現在は恒星位置の表示はFixedモードのみでしか機能しません)

画面上、青い丸がM.bmp内のマスク情報で、白い点が星図データから計算された恒星の位置です。

上図では指定値が実際のカメラ方向とある程度ずれています。

各スピンボタンを押しながら画面の出来るだけ多くの恒星がマスク位置に一致するように調整します。

調整は各パラメータが相互に関係するので、根気よく繰り返す必要があります。

k2,k3,x,y,FOV関係等は一度精密に合わせれば、同一機材を使用する場合は再設定の必要はありません。

さらに、カメラ方向が完全に固定されていれば、毎回調整する必要はありません。

WAT-100N+CBC6mmf0.8を使用した場合の調整結果例(V0.12)は以下です。画面内の殆どのマスクに恒星が一致しています。

尚、現状では共通のプロプァイルを分析に使用するため、監視途中でカメラ方向が変更された場合には対応していません。

WAT-100N+CBC3.8mmF0.8を使用した場合のとりあえずの調整結果例(V0.13)は以下です。光軸中心がかなりずれることがあるようです。

調整の手順は未だこれといった方法が定まってませんが、私は概ね、以下の順序で調整しています。

最初は大変だと思いますが、慣れれば新しい機材でも数分でできます。

  1. Location を正確にあわせる。Rot,k2,k3,x,yは0に設定、X/Yratioは1に設定
  2. レンズの画角(FOV VとH)をおよそカタログ値にあわせて設定する。
  3. カメラのおよその方位高度を市販星図ソフト等で調べて、これをDirectionに設定する。
  4. 最初はMagを3程度にして、明るい星で対応すべき青と黄を見極める。
  5. 中心付近の星の位置をDirectionとAltitudeとRotでだいたい合わせる。Magを殆どの青の近くに黄色の点が出るようにする(惑星は出ないので注意)。
  6. 中央左右端に近い星の位置をFOV Hで合わせる
  7. 四隅で黄色が青の内側にくるようなら、収差は外に伸びるものなので、k3を増やし、FOV Hを下げて四隅の中心からの距離を合わせる。
  8. 内側の星があうようにk2を設定する(k3が正なら殆どの場合k2は負)
  9. 5〜8を繰り返し、できるだけ合わせる。
  10. 中央があっていて、k3が正で右半面の黄色の点が内側、左半面が外側にきている時はCenterOffsetXを負にする。逆なら正にする。
  11. 中央があっていて、k2が正で上反面の黄色の点が内側、下半面が外側にきている時はCenterOffsetYを負にする。逆なら正にする。
  12. 上下はあっているが、左右が内側にきている時はX/Yratioを1.00より大きくする。逆なら1.00未満にする。
  13. 5〜12を繰り返し、できるだけ合わせる。

[分析]

[分類(Classify)]

自動分析が終わったら、クリップを眺めながら、手動で、分類の確認と修正をします。

・表示のコントロール

リストが表示されている状態ではいつでもそのクリップの静止画や動画をビュー領域に表示することができます。

表示の切り替えには右上部のコントロールボダン類を使います。

ビュー領域の大きさはウインドの大きさを変えると追従して変化します。

リストの行をクリックするとそのクリップに移動します。

リストにフォーカスがある(リストをクリックした後など)では上下カーソルキーによりクリップを移動できます。

ビュー領域をクリックすると静止画表示状態でも一時的に動画を開始/停止します。

・分類指定

分類の指定は Classify タブで行います。 Classifyタブを表示している状態では、クラス名をクリックすることにより、リストで選択されているクリップの分類を連続して指定してゆくことができます。リストで特定のクリップをクリックすれば、そのクリップを再分類することができます。クラス欄で空白部分をクリックするとクラスを変更することなく次のクリップに移動します。

クラス指定されたクリップはUFOARules.txtで指定されているクラス処遇デフォルトによりそれを保存するか廃棄するかが仮決定されます。

保存(移動を含む)されるクリップは リスト上で K 列に '*'が表示されます。また、そのクリップを選択すると、KeepチェックボックスがONになっています。敢えて廃棄したい場合にはチェックを外してください。このチェックは再度クラス指定されると再設定されます。

廃棄されるクリップはリスト上で K 列が空白になっています。そのクリップを保存したい場合には、そのクリップを選択してKeepをチェックして下さい。

クラス指定とは別次元でMarkとMagを設定することができます。クラス指定をすると次のクリップに移動してしまうので、これらはクラス指定以前に設定して下さい。

尚、クラスは現在 クラスとサブクラスの2階層構成になっています。詳細分類を行いたい場合にはサブクラスボタンを押すと以下のようにクラス一覧にサブクラスが追加されます。クラスとサブラクスの詳細については別項を参照して下さい。

また、 C Select ボタンを押すと、次のダイアログが表示され、表示されたクラス名をクリックするとそのクラスのみのリスト表示とすることができます(Ctrlキーを押しながらクリックすると追加選択できます)。選択さているクラスには"*"が表示さます。

通常、TooShort,NoTail,Noise,pMateorなど数の少ない不確定な分類を先に調べて分類してゆくと効率的です。


[確認]

ListOp.タブでは分類されたクリップを分類別に表示したり、表示内容を選択して、分類結果を確認することができます。

分類が終了し、ListOp.タブを開くと以下のように、クラス毎にそのクリップ数が表示されます。

ListOp.タブでは次の指定を行なうことができます。

Class Select:


Row Select:

RowSelect欄では、列名をクリックすることによりリスト領域に表示される列の表示/非表示を切り替えることができます。

列名は自動分類のキーとなる項目で、現時点では次のものがあります。


[再分析]

必要に応じて以下の再分析を行なうことができます。

[トレイルマップ出力]

[レポート出力]

MainタブでCSV格納とレポート出力を実行することができます。

レポート例

[分配(Dispatch)]

分配方法の指定と実行はMainタブで行います。事前に出力先ディレクトリ OutDir を設定して下さい。一度分配したファイル群を自動的に元に戻す手段はありません。Do Dispatchボタンを押す場合には十分注意して下さい。

以下は G:\DB を出力ディレクトリとして、日付付きで分配した結果です。

分配後、入力ディレトリは以下のようになります。廃棄クリップはすべてdeletedディレクトリに移動されています。消すのは手動でお願いします。

Cxxxx.csvは分配内容によって更新されています。

.Cxxx.csv.orgファイルはUFO処理以前のcsvファイルのバックアップ(つまり最初のもの)です。

Cxxxx.csv.bakは最後にcsvを上書きする直前のバックアップ(つまり最近のもの)です。

何度もSave CSVを実行した場合には、最初のものと最後のものと最後の直前のものが残ることになります。


[ユーティリティ]

〜V0.61 V0.62〜V0.72 V0.73〜

Utyタブでは蓄積ファイルに対する以下の操作を実行できます。これらの操作は実行指示により即時にファイルを変更します。元に戻す手段はないので、十分注意して実行して下さい。中断もできません。また、操作はその時点でクリップリストに表示されているクリップのみについて実行されます。ListOpタブで処理したいクリップのみが表示されるよう指定してから実行して下さい(特定クラスのみの処理や、Magの低いものののみの処理などが指定できます)。


[参考情報]

UFOAディレクトリの中身

起動方法の種類

輝度計算方法

流星の速度の算出方法

 

  a …流星の検出開始点付近の観測角速度
  h …aを測定した位置の仰角
  D …aを測定した位置の輻射点からの離角
  H0…速度0km/sの流星の仮定発光高度(デフォルト80km)
  H1…速度100km/sの流星の仮定発光高度(デフォルト130km)
  R …観測地の地心距離(緯度36度として6371km)
  Vo…流星の観測速度(km/s)
  Ho…流星の観測発光開始高度(km/s)

Ho = H0 *sin(D)*sin(h)/(sin(D)*sin(h)-a*(H1-H0)/100) (ただし、負になる場合は100kmと仮定する)

Vo = a * (sqrt( R^2*sin(h)^2+Ho^2+2*R*Ho ) -R*sin(h) ) / sin(D)

天頂引力補正と群分類

UFOAnalyer V0.40以降ではSonotaCo.JPにますみさんが書いて下さった以下の式により天頂引力補正を行なっています。

Vi.....地球の引力の影響を受ける前の流星の地心速度(km/s)
Zt....輻射点の観測時刻における天頂からの離角
Za...天頂引力による輻射点の仰角増分

Vi = sqrt(Vo^2 - 132.2)
Za = Zt/ - arcsin(Vi/Vo* sin(Zt/2))

群分類では、流星発生時刻毎に このZaによって、輻射点仰角を修正したものを輻射点とし、以下の2つの値を計算します。

dd...輻射点方位誤差(流星検出終了点と輻射点を結ぶ線と流星経路がなす角度の絶対値)
dr...輻射点角距離誤差(流星経路の延長線と輻射点との角距離 ..ただし、ddが90度を越える場合には計算しません)

群分類では、dd,dr,Vo,の各値についての閾値を用いて、閾値を越える輻射点を排除します。

その上で、ddの最も小さいものを候補とします。

クラス階層について

以下、V0.05でUFOArules.txtに定義されているクラスとサブクラスです。 左側が親クラスで右側がサブクラスです。keepとあるものはデフォルトで保存され、deleteとあるものはデフォルトでは廃棄処理されます。keep/deleteの指定が無いものは上位クラスの設定に従います。keep/deleteの変更は用途に応じて変更して構いません。

C ROOT Meteor keep //流星クラス

//流星群分類用サブクラスは輻射点データとしてV0.17より UFOARadiant.txt として独立しました。(V0.08〜V0.16までのUFOAMGroups.txt は使用しなくなりました)


C ROOT pMeteor keep //流星である可能性が高いがやや誤差が大きいため昆虫等である可能性も高いものが入る仮分類です。

C ROOT Lightning keep //雷クラス
C Lightning L_Lightning //稲妻
C Lightning L_Flash delete //雷光(フラッシュ)
C Lightning L_Sprite //スプライト
C Lightning L_Bluejet //ブルージェット
C Lightning L_Elves //エルブス

C ROOT Noise delete //宇宙線などによるノイズ

C ROOT Nature delete //自然現象クラス
C Nature N_cloud //雲
C Nature N_snow //雪
C Nature N_rain //雨
C Nature N_star //恒星
C Nature N_etc

C ROOT Animal delete //動物クラス
C Animal A_bird //鳥
C Animal A_insect //昆虫
C Animal A_etc

C ROOT Flight delete //人工飛行物体クラス
C Flight F_plane //飛行機
C Flight F_heli //ヘリコプター
C Flight F_etc

C ROOT Satellite keep //人工衛星クラス
C Satellite S_burst //バースト
C Satellite S_path //軌跡
C Satellite S_etc

C ROOT Ground delete //地上光クラス
C Ground G_hlight //ヘッドライトなど
C Ground G_slight //サーチライトなど
C Ground G_firework //花火
C Ground G_etc

C ROOT UFO keep //正体不明クラス
C UFO U_burst //バースト光
C UFO U_etc

C ROOT ETC keep //その他クラス

//現象的仮分類
C ROOT TooShort keep //トレイルが短く直線性判定ができないもの
C ROOT TooMany keep //変化点が多すぎで分析できないもの
C ROOT NoTrail delete //変化点が連続せず分析できないもの

//ゴミ
C ROOT Trash delete //手動分類で廃棄処理するもの


既知の問題点と注意事項


更新履歴

V0.01 2003/12/03 新規作成

V0.02 2003/12/04 Reportにrot、SubClassの統計情報が表示されなかったバグを修正した。

V0.03 2003/12/04 Report形式をtxtでなくhtmlに変更した。

V0.04 2003/12/05 Report形式を一部変更した(不要な特殊クラスの表示をやめ、等級に合計行を加えた)

V0.05 2003/12/28 動画のフレーム毎分析により自動分類を可能とした。その他、全機能を大幅に変更した。

V0.06 2003/12/31 Analyze ALLの後異常終了することがあるバグを修正した。MagによるBrighter Dimmerの選択を可能にした。

V0.07 2004/1/5 Utyタブを新設し、TrimとDelete機能を追加した。クラス選択のクリック方法を変更した。レポートでunclassifyの個数を正しくし、表示を一部変更した。

V0.08 2004/1/18 星図データ、輻射点データの取り込みによる流星位置情報の自動計算および群の自動判定機能を追加した。非常用トリミング機能を追加した。

V0.09 2004/1/23 以下の機能を追加した

V0.10 2004/1/27 以下を修正しました。

V0.11 2004/1/31 以下を修正しました。

V0.12 2004/2/1 以下を修正しました。

V0.13 2004/2/14 以下の機能を追加しました。

V0.14 2004/2/22 以下の機能を追加変更しました。

V0.15 2004/2/23 以下を修正しました。

V0.16 2004/2/28 以下を修正しました。

V0.17 2004/4/2 以下を修正しました。

V0.18 2004/6/18 以下を修正しました。

V0.19 2004/6/19 以下を修正しました。【 重要 】

V0.20 2004/7/17 英語版Windows上で動作するようになりました。このため、フォントおよび画面配置を微調整しました。

V0.21 2004/8/13 以下の機能追加をしました。

V0.22 2004/9/1 以下の機能を追加変更しました。

V0.23 2004/9/8 UFOCaptureV1.85以降の特殊レジストレーションに対応した。機能的変更はない

V0.24 2004/9/9 以下を修正しました。

V0.25 2004/9/24

V0.26 2004/9/25

V0.27 2004/9/25

V0.40 2004/10/3

V0.41 2004/10/6

V0.42 2004/10/7

V0.43 2004/10/10

V0.44 2004/11/24

V0.45 2004/12/01

V0.46 2004/12/10

V0.50 2004/12/12

V0.51 2004/12/30

V0.52 2004/12/31

V0.53 2005/1/1

V0.54 2005/1/16

V0.55 2005/2/15

V0.60 2005/4/15

V0.61 2005/4/30

V0.62 2005/5/18

V0.63 2005/5/22

V0.64 2005/5/23

V0.65 2005/5/30

V0.66 2005/5/31

V0.67 2005/8/9

V0.68 2005/9/3

V0.70 2005/11/13

V0.71 2006/01/17

V0.72 2006/01/18

V0.73 2006/04/29

V0.74 2006/10/02

V0.75 2006/10/05

V0.76 2006/10/09

V0.77 2006/11/02

V0.78 2006/11/17

V0.79 2006/11/18

V0.80 2006/12/31

V0.81 2007/1/1

V0.82 2007/1/2

V0.83 2007/1/31



【今後の課題】

UFOAnalyzerは動体の自動分析、自動分類、自動統計、ネット連携などを目指していますが、いまだ改良の余地は多々あります。

これまでに考えられている改良項目を以下にメモしておきます(まだ思いつきレベルのものが殆どです)。

ご意見、ご感想、望ましい機能など、掲示版の方にお寄せ下さい。